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大学共通テストに契約書!?それ、お小遣いのルールで対策できちゃいます

契約書

「お小遣いをあげる」という一見シンプルな行為にも、じつは家庭ごとにさまざまなルールが存在しますよね。

毎月1日にあげるね。お小遣い帳は必ずつけてね。とか。それ以外にも、宿題ちゃんとやるのが条件よ!!なんてこともあるかもしれませんね。しかし、最初にお小遣いをあげるときに約束したはずなのに、数ヶ月経つうちにいつの間にかうやむやに・・・。なんてことになっていませんか?

今回は、そんなお悩みを解決し、さらには、大きく様変わりした大学共通テストやその先の将来にも、きっと役立つ方法をご紹介します。

大学共通テストで契約書が出題される?!

2021年からスタートする「大学共通テスト」、英語の民間試験導入についてずいぶんとニュースになりましたが、実は国語の試験でも大きな方針転換が行われるってご存じですか?独立行政法人大学入試センターが公表したモデル問題例2を確認してみると、以下のような問題が載っています。

駐車場使用契約書

貸主 原パーク(以下、「甲」という。)と借主 ○○サユリ(以下、「乙」という。)は、次のとおり駐車場の使用契約を締結する。

第1条 合意内容
甲は、乙に対し、甲が所有する下記駐車場を自動車1台の保管場所として使用する目的で賃貸する。

(駐車場の表示)
住所      東京都新川市新川朝日町2丁目3番地
名称      原パーキング第1
駐車位置番号  11番

第2条 期間
乙の使用する期間は、平成28年4月1日から平成29年3月31日の1年間とする。契約期間満了までに甲、乙いずれか一方から何等の申し入れがない時は、さらに1年間の契約が自動的に更新されるものとする。

そう、なんと契約書です!問題文は第8条まで続き、この契約書を読んで、各問いに答える。という流れになっています。今後の試験では、これまでなじみのある小説などの読解は残るものの、このような「実用的文章」の占める比率が大きくなる見込みであるとの発表がなされています。

モデル問題例2の全文を確認したい方はコチラ

実用的文章への対応は日頃から慣れていくことが効果的

契約書の読み取りなんて、はじめて見たら焦ってしまって内容なんて入ってきませんよね。でも、上の問題例を全文しっかりとご覧いただくと分かると思いますが、これ、実は契約書を日頃から目にしている方にとっては、結構簡単な内容しか問われていません。

つまり、もっとも簡単で最良な対応策はただひとつ。この契約書独特の言い回しや形式に慣れること!

では、慣れるために一番効果的なことは?

そうです。できるだけ身近な存在にすること。そのために、子どもにとって身近でわかりやすいテーマを「実用的文章」にして、触れる機会を作ってあげることが効果的と言えるのです。

子どもに身近なお小遣いのルールを契約書にしてみよう

ここで「子どもにとって身近でわかりやすいテーマ」であるお小遣い、使わない手はないですよね。そもそもお互いがしっかり守っていくためには、お小遣い制を導入した当初に交わした約束は、口約束ではなく、文章に書き出し、見える化することが大切です。

そこで、せっかく文章に書き出すのであれば、将来を見据え、これを契約書形式にしてしまいましょう。お小遣いを通じてできることは、マネー教育以外にもたくさんあります。たとえ大学共通テストなんて関係ない!というご家庭であっても、契約書を理解する能力は、社会に出てから必ず役に立ちますから、今から備えてみてもいいのではないでしょうか。

お小遣い契約書を作成する上で気をつけること

では、実際にお小遣いの契約書を作成するにはどのような点に気をつければいいのでしょうか。3つのポイントを見てみましょう。

ポイント① お小遣いのルールは子どもと一緒に話し合って決めていく

契約書はあとで一緒に確認していくので、ある程度は一方的に作成しても構いませんが、やはり重要な部分、特に子どもに主体的に守ってほしい事項については、作成前に話し合って一緒に決めましょう。一緒に決めたことを契約書に記載することで、子どもも内容を理解しやすくなります。

ポイント② できるかぎり契約書独特の表現はそのまま取り入れる

契約書の形式に慣れることを目的としているため、難しいと思われる契約書独特の表現、たとえば、甲・乙、前項にかかわらず、故意による、虚偽の・・・なんて表現も、まずは噛み砕くことなく、できるかぎりそのまま取り入れましょう。お子さんの年齢にあわせて、説明するときに分かりやすく意味を教えてあげれば大丈夫です。

ポイント③ 親が守るべきルールも盛り込む

「お小遣いのルール」というと、子どもが守るべきことばかりが思い浮かびがちですが、契約書ですから、契約する双方に関することを盛り込みます。

たとえば、お小遣いをあげると決めた日に、親の都合であげられなかった場合はどうなるの?とか、お小遣いなし!となる理由が、その時々によって違うなんてことにはならないよね?とか。

子ども目線に立って考えたり、子ども自身に聞いてみたりすると、このようなドキッとする、親側がきちんと対応を考えなければならない項目も出てくるものです。そんな内容も設けて、親子それぞれ、両者が守るルールを定めていることを教えてあげると、子どもも契約書の意義をより意識します。

ポイント④ お互いにサインをする欄を設ける

契約書ですから、最後まで抜かりなく。お互いに契約内容を確認し合い、納得したら最後にサインをしましょう。その際は、サインをするという行為は「この契約書の内容を理解し、納得しました。」「この契約書の内容を守ることに同意します。」という意味なんだよ。ということを必ず先に伝えて下さいね。そう話して理解した上でサインをすることで、子どもはちゃんと、契約書を守らなくては!という気持ちが強くなります。

実際に長女と交わしたお小遣い約束書を大公開

ここまで読んで下さった方の中には、そうはいっても契約書なんて一から作るのは難しい。という方も多いかと思います。通常は、日常生活の中で契約書を作ることなんてまずありませんから、当たり前です。そんな方のために、我が家で実際に作成した「お小遣い約束書」も公開していますのでよかったら参考にしてみてください。

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