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人生100年時代!子どもをポートフォリオワーカーに育てるために今できること

ポートフォリオワーカーという言葉をご存じですか?IT技術やAIの発展により、現代はめまぐるしいスピードで動いています。さらに人生100年時代といわれる今、これから社会に出る子ども達が幸せに働き、笑顔で生き抜いていくために、ポートフォリオワーカーという選択肢についてご紹介します。子ども達が将来のために今から備えておくべきことは?!その問いの答えを探してみましょう。

終身雇用制度の崩壊

派遣法の改正や定期的に起こる○○ショック、少子高齢化、転職市場の活発化、若者の意識変化・・・さまざまな要因から、長らく日本の雇用のあり方として主流だった終身雇用制度が揺らいできていることを、多くの人が感じ始めていた昨今。そこにとどめを刺すかのように、トヨタの豊田章男社長が「終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」と発言し、世間に大きな衝撃を与えたのは記憶に新しいと思います。さらに、新型コロナウィルスの世界的な流行の影響によりその流れは加速。2020年に早期退職制度の活用に踏み切った上場企業は12月7日現在で既に90社(東京商工リサーチ調べ)となっています。そしてこれから先、ワクチン開発などによって新型コロナウィルスの影響が影を潜めたとしても、残念ながらこの流れが元に戻ることはないでしょう。終身雇用制度崩壊の布石は既に打たれてしまったのです。

雇われることなく自由に稼ぐ若者の出現

では、今後そんな不安定な世の中で「稼ぐ」ことはむずかしいのか?というと、確かに真っ向勝負をした場合、むずかしい社会になっていることは否めません。しかし一方で、アイディア次第で多額のお金を稼いでいる若者の出現が目立つようになってきたのも事実です。すっかり職業としての認知を高めつつあるYouTuber。それから、最近だとTikTokなどで注目されてメジャーデビューを果たす歌手や、Instagramで声が掛かってモデルになった。なんて方も目にするようになってきましたよね。

彼らは特別だから。

ほんひと握りの運のいい人たちだから

その一言で別世界の人としてしまうことは簡単だけど、本当にそうなのでしょうか?

私は、彼らは決して運がよくて注目され稼いでいるわけではないと思います。綿密な計算をし、たくさんの失敗と調整を繰り返し、語弊を恐れずにいうのであれば、「あざとく」準備をしていたから。物事を多角的に見て、豊かな想像力と創造力をもち、失敗を恐れずに行動に移す。その力が備わっていたから、必然的に稼ぐことができたのです。

人生100年時代を安定して生き抜くために大切なこと

上述の通り、現在はある意味ありがたいことに、ひとつの企業に縛られることなくさまざまな方法で稼ぐことができます。つまり、「雇用されないこと」も稼ぐために必要なポイントのひとつとなってきます。ただ、私は完全フリーランスを薦めたいわけではありません。どちらかというと保守的な考えを持つタイプなので、何か特別な能力やアイディアを持ち、既に大きな野心を抱いている人でなければ、やはりひとつの大きな収入の柱となる「企業人」としての顔も持っておいた方がいい。と現時点では思っています。

しかし、その一面しか持っていないというのでは、思いもよらぬ出来事が次々と起こる、不安定なこれからの時代を安心して生き抜くことはできません。つまり、いかに収入の柱をたくさん持てるか、が大切になってくるのです。

ポートフォリオワーカーをめざそう!

そこでオススメしたいのが、ポートフォリオワーカーという言葉に代表される働き方です。まずは、本題に入る前に、ポートフォリオという言葉の意味を確認しましょう。

ポートフォリオ(英語:portfolio)とは、安全資産危険資産の最適保有率のことである。

出典:Wikipedia

つまり簡単に言うと、日本株や外国株、投資信託、債券、金、不動産・・・。リスクを回避しながら、自らの資産を安全に運用するために、複数の金融商品に分散して投資をすること。または、どの金融商品どれくらい分散して投資をしているのか、その組み合わせのことを指します。

ポートフォリオワーカーとは?

それではポートフォリオワーカーとは、どんな人を指すのでしょうか?

Portfolio(分散投資)Worker(働く人)ですので、想像できますね。複数の仕事や収入源をもって働いている人のことを指します。

勤めた会社が倒産する。リストラされる。病気になる。自然災害が起こる。○○ショックが起こる・・・。すこし考えただけでも私たちの生活は常にリスクと隣り合わせです。ですから、リスクが起きたときに、そっちがダメでも大丈夫!こっちがある!!と収入を0にしない努力が必要になってくるのです。

たとえば、同じ30万円を稼ぐのであれば、企業に勤めて月々30万円を稼ぐ生活よりも、3つの収入源から10万円ずつ稼ぐ。その方が、あるひとつのリスクに直面したとき、より痛手が少なくなる可能性が高いですよね。さまざまなリスクがある今、それを目指すべき世の中に移行しつつあることは確かです。

ポートフォリオワーカーを目指す子ども達がいますべきこと

では、具体的に、将来ポートフォリオワーカーとなるために、いま子ども達がすべきことはなんでしょう。

好きなものや得意なことをどんどん増やす

ひとつの大きな収入の柱を「企業人」としての顔でもつとするならば、他の収入の柱は、自分の「楽しいこと、好きなこと」とするべきです。働くということはやはり大変ですし、ストレスも抱えますよね。それなのに、その上他にもつ仕事でも同じようなストレスを抱えることになったとしたら・・・。それは収入を得るメリットよりも、心身への負担面でデメリットが上回ってしまい、幸せに働き、生き抜いていくということとはかけ離れた生活に陥ってしまいます。

自分の趣味や興味のあること、得意なことを収入に繋げる。30万円は無理でも、5万円、10万円ならできるかもしれない・・・。それでいいのです。そこを目指してほしいのです。

だから、今はアンテナを高く張って、好きなこと、興味のあることをとにかくたくさん集めてほしいと思います。和菓子、本、工作、花、英語、テニス、走ること、食べること、写真、料理、プログラミング・・・。なんだっていいし、それがお金になるかどうかなんて考えなくていい。好きなことをいっぱい集めて、興味のあることをどんどん掘り下げて、詳しくなってのめりこんで、得意なことに変えていく。その数が多ければ多いほど、将来の収入の柱もきっと増えていくでしょう。

広い視野をもって「なぜ?」と自分に問いかけるクセをつける

好きなことや得意なことを収入に繋げるために、ひとつ必要不可欠なことがあります。それは世の中のニーズを読み取り、形にするアイディア力です。収入の柱になる「モト」を持っていても、それが柱になることに気づかなかったり、柱にするためにどうしたらいいかが分からなかったりしたら、残念ながらそれを収入に繋げていくことはできません。それはもったいないですよね。

そうならないように、今から世の中のことをよく見ておきましょう。なぜこの商品は売れているのか。あの子はなぜ人気者なのか。いま自分が不便に感じていることは何か。つい自分が反応してしまうキーワードは?好きな本は?なんでもいいんです。自分の身の周りのさまざまなことに興味を持って、そのことに対して「なぜ?」と問いかけ自分なりの答えをみつけるクセをつけてほしいと思います。なぜ?を解明することで、新しいアイディアは生まれてきます。だから、将来に向けて、いまからその力を磨いていきましょう。

継続したマネー教育を受け、投資の知識を得る

親がマネー教育をすることも決して疎かにはできない大切なことのひとつです。なぜなら、「投資」自体が立派な収入の柱だからです。自分の時間と体力を減らすことなく、収入を得る方法の最たるものが投資です。子どものうちからさまざまな投資や投機の方法があることを知識としてもち合わせていることで、将来収入を得てだんだんとお金が貯まってきたときに、取れる行動の幅は確実に広がりますよね。そのために、親の私たちは丁寧に、子ども達の年齢に合ったマネー教育を継続して行っていく必要があると考えています。

興味のあることに資格があるならば、取得する努力をする

好きなことや興味を持っていることに関連する資格があるならば、できれば努力をし、資格取得を目指しましょう。資格の難易度は問いません。小学生であれば英検や漢検にチャレンジするのもひとつです。より深く学んだという経験は、その知識や技術をビジネスとして活用しようとしたときに自信に繋がります。また、資格を取ることで分かりやすい「肩書き」を持つことができます。必ずしも資格をもたなくてもできる仕事はたくさんありますが、やはり、ないよりはあった方が信頼度も増し、物事がスムーズに進むことが多いのも事実です。

まとめ

人生100年時代、年金受給開始年齢75歳法案検討、老後2000万円問題、終身雇用制度の崩壊・・・。このようなワードが次々と飛び交い、確実に変革期を迎えていると感じるいま。子ども達がおとなになる頃にはどんな世界になっているのでしょうか・・・。しかし、不安に思っていても仕方ない。であれば、その時の社会に柔軟に対応できるよう、自分の中にたくさんの可能性と選択肢を持っていてほしいと願います。そのために、「好き」と「得意」を増やし、それらをビジネスに変換できるアイディア力をつけ、得たお金をよりよく殖やす術を身につける。わたしたちはその手助けができるといいのではないでしょうか。

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