先日ご紹介した為替ゲーム!60日にわたって購入編を続けた結果、子どもたちは日々変化する為替レートにずいぶんと親しみ、相場を通じて世界の動きに目を向けるようになりました。そこで、せっかくの身についたこの感覚をここでバッサリ終わらせてしまうのはもったいない・・・。と考え、今度は続編として為替ゲーム売却編を導入することにしました。



為替ゲーム「売却編」ルール説明
- 為替ゲームの紙上で購入した60ドルの中から任意の20ドルを選ぶ
- ①で選んだ20ドルを購入時のレートをもとに日本円に換算する
- 子どもは②で換算した日本円の合計額をお小遣いの中から親に支払う
- 親は子どもに20ドルを渡す
- 子どもは毎日公表される為替レートを見て、好きな日にドルを売って日本円に替えることができる。
※小数点以下の額はやり取りできないので、メモしておいて1円単位になったときに相殺する。
※売却期限はなし。
それぞれのルールの補足
①為替ゲームの紙上で購入した60ドルの中から任意の20ドルを選ぶ
我が家は60日間にわたる為替ゲームの中で60ドルを購入しています。さすがに子どもから6000円前後の額を徴収することは無理だったので、購入額の中から任意の20ドルを選んで実際に買ってもらうことにしました。(購入額は自由に設定してください。)
ここでの狙いは、円が高い日に買ったドルを選択した方が得だということを理解しているかどうかをみること。
これまでのゲームで為替の仕組みをしっかり学んでいるかどうか、何も助言せず見守りこっそりチェックしてみるのがおすすめです。
②購入時のレートをもとに日本円に換算する
為替レートが日本円でいくらのときの分を何ドル購入することにしたのか、を書き出して日本円に換算します。
このとき、1円未満の端数はメモに残しておき、一旦切り捨ててお小遣いをもらうようにしましょう。後日ドルを円に替えるときに発生する1円未満の端数と相殺し、精算します。
③日本円に換算した合計額を子どもがお小遣いの中から親に支払う
②で計算した合計額を子どものお小遣いから出してもらいます。
定率制でお小遣いを渡している場合には、通常の手元のお小遣いからこの分のお金を出してしまうと翌月のお小遣いが減ってしまいます。いつでもドルを円に替えられるルールですのでもしかしたら気にしないお子さんもいるかもしれませんが、基本的にはお年玉など、通常のお小遣いとは別会計のお小遣いから出すようにした方がよいでしょう。
④親は子どもに20ドルを渡す
現物のドルがあればそれを渡してあげることが一番です。そうすれば、子どもは「日本円に替えずにずっとドルのまま持ち続ける」という選択肢も持つことができます。
ただ、多くのドルがある家も稀だと思いますので、その場合はたとえば付箋などで代用してもよいと思います。
我が家はそれぞれに「1ドル」と書いた付箋20枚を束のまま渡し、必要なときに1枚ずつ剥がして使えるようにしています。
⑤為替レートを見て、子どもは好きなときに円に替えることを申し出ることができる
親はこれから毎日為替レートを公表していきます。冷蔵庫でもどこかにぶらさげたホワイトボードでもノートでも。
為替レートは刻一刻と変化していくので、これから長きにわたり公表していく場合には万が一のため、データがとれる値にした方が便利です。我が家では各日の始値にしています。
始値、高値、安値、終値であれば、過去のデータがネットですぐにとれます。万が一公表し忘れてしまった日があっても、過去の推移を確認したいときでも安心です。また、お互いの認識のズレが発生しないので、「お子さんが自分の携帯で毎日確認する」という方法も可能になりますね。
子どもから「今日のレートで円に替えたい」という申出があったら応じましょう。このとき問題となるのが1円未満の端数ですが、これに関しては②と同様一旦保留とし、メモに残して1円以上になったときに精算します。(最後の1ドルを両替しても残ってしまった端数は1円として渡すつもりでいます。)
我が家は「小数点以下第2位まで使用、1回1ドルから両替可能」として運用していますが、たとえば「小数点以下第2位を四捨五入、1回5ドル単位で両替可能」とすると、小数点以下の数字は0.5しか出てこないので精算が簡便になります。その辺りはご家庭ごとお子さんとルールを作ってみるといいですね。
おわりに
せっかく為替ゲームで『刻一刻と為替レートは変動している』ということを学んだので、今後も継続的に為替レートを目に触れさせたいと思い売却編を立ち上げました。この売却編は、期限がないので誰かと比較しての勝負とはなりませんが、子どもたちは実際にお小遣いからお金を出してドルを買ったのですから、利益を得られるようきっとずっと考えながら過ごしていくことでしょう。
当たり前に日々のレートをチェックするようになることで、投資先のひとつである外貨預金などに興味を持つかもしれません。また将来的には、為替の変動要因を探ることに興味を持つことも期待しています。為替にしろ、日経平均にしろ、長期にわたって相場のデータを何気なく追い続けることは、相場観を養うことにつながり、将来実際に投資をするときにプラスに働くと考えています。世界に目を向け、どんどん興味の幅を広げていってほしいと思います。
